ドイツ語で「自主検疫」と「自主隔離」は?二つの違いは?

アイキャッチ画像 自主検疫 自主隔離

どーもヤマジです。

新型コロナの猛威は衰えるどころか、第二波が来てしまったなどとも言われているほどですね。

ニュースを読んでいて「自主隔離」や「自主検疫」と言うことばを耳にしたことはあるでしょうか?あったとしても正直「( ゚д゚)ナンノコッチャ?」って感じですよね。

そして、ここドイツでも「Selbst-Isolation(自主隔離)」や「Selbst-Quarantäne(自主検疫)」ということばは、結構頻繁に耳にします。

今回は、似ているようで異なる実態をもつこの二つのことばの意味と違いを語源を辿りながらご紹介していきたいと思います。

Selbst-Quarantäne(自主検疫)Selbst-Isolation(自主隔離)

「Selbst-Quarantäne」も「Selbst-Isolation」もウイルス等の感染拡大を防ぐために自主的に外出を控えて、他人との接触を極力避ける衛生対策を意味します。

現在のコロナ禍の状況に照らし合わせて、もう少し詳しく説明すると、

「Selbst-Quarantäne」は、急性呼吸器疾患(咳、喉の痛み、息切れ)および熱、筋肉痛などを発症している人間と濃厚接触した可能性がある場合に「自主的に(selbst)」行う「検疫(Quarantäne)」です。

検疫ということなので、「Quarantäne」の場合は、自分が感染していないかどうかを確かめるために行う隔離です。隔離しておけば、仮に本当に感染していても他人にうつすことはないですし、感染してなくても誰かにうつされることもないので、予防にも繋がります。

スイス連邦保険局によれば、検疫期間は10日で、それが過ぎても症状が出なければ検疫を解除してもいいらしいですが、ドイツでは今のところ極力必要のない外出や人との接触は避けるように指示が出ているので、多くの国民がしばらく自主検疫継続って感じですね。

一方で、「Selbst-Isolation」は、乾いた咳、喉の痛み、息切れや発熱、発熱、筋肉痛などの症状が既に出ている場合に「自主的に(selbst)」「隔離(Isolation)」することです。

「Selbst-Isolation」は、つまり他人に移さないようにすることと自身の症状の回復を目的とした隔離です。したがってこちらは疑わしい症状が既にある場合に行う事後対応です。

ただ症状が酷い時は、自主隔離ではなく病院での治療が必要なわけですが、この際決して直接、病院や診療所に行かないでください。新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、ドイツではまず 116 117 に電話しなくてはいけません。直接出向くと、道中他の人にうつしてしまうこともありますし、最悪院内クラスター感染を引き起こしてしまう可能性もありますからね。

Quarantäneの語源

「Isolation」はコロナ以外でも色んなところで使われる単語なのて、みなさんもどこかで聞いたことあると思うんですが、「Quarantäne」の方は、今回の新型コロナウイルスの一件で初めて聞いたという方は結構いるんじゃないでしょうか?私です。いやーオハズカシイ。

聞いたことないなーと思っていつも通り語源をWiktionaryで調べてみたところ、ラテン語由来のことばで元々は「40日」を表していたそうです(参考:Wiktionary 『quarantine』

「qua-」がついた4に関係があることばは「クアッドコア(quad core)」とか「クアトロ(quattro)」とかあるので、ここまで分かれば綴りを間違えることはなさそうです。音しか聞いたことなかったときは「Kuarantäne」と書いてしまいました。いやーオハズカシイ!

しかし、なぜ「40日」なのでしょうか?Wiktionaryによれば、語源の1つとしては「キリストが砂漠で断食をした期間が40日であったから」だそうです。

全ての食物を断つ
                ↓
全ての接触を断つ
                ↓
隔離/検疫」と転じていった、的なsomething。

ちなみにドイツでは2月にあるカーニバル(謝肉祭)の終わりからイースター前の土曜日までの期間を四句節(Fastenzeit)というのですが、これはキリストが砂漠で40日間断食をしていた期間に由来しているらしいです。ドイツの学校閉鎖などは4月のちょうどイースター前まで続くので、奇しくも、今回のコロナの「Selbst-Quarantäne」とその語源の時期がドンピシャで被るという偶然が起きています。

あと余談ですが、キリスト教ではこれ以外にも「40」に関連した事柄(モーゼが民を連れて荒野を40年間彷徨ったetc.)が多数あるそうで、特別な数字だそうです。

あと語源の2つ目は「ベネチア人が慣習的にペストに感染した国からの船を港で待機させていた期間が40日であった」ことからだそうです。なんかこっちの方が現実的ですね。

まとめ

  • 「Selbst-Quarantäne」は、元々は感染していないかを見極めるための「自主隔離/自主検疫」。ただ現在ドイツでは、濃厚接触がなくても不要不急の外出は推奨されてないので、実質全国民Selbst-Quarantäne中です。;「Quarantäne」はラテン語の「40日」に由来するSelbst Quarantaene
  • 「Selbst-Isolation」は、既に症状が出ている際に行う「自主隔離」。症状は既に確認されているので検疫の意味は含まれません。Selbst Isolation

みなさんも、やむなく外出した際は手洗いうがいをしっかりして、くれぐれもご自愛ください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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