どーもヤマジです。
ここでは、今まで当サイトで解説したドイツ語の発音に関する記事を一挙にまとめています。
まだ全部は書ききれていませんが、とりあえず初心者がつまずきそうなRの発音やウムラウトの発音を言語学(音声学)の知識を用いながらイラスト付きで解説しています。
今後はドイツ語の「ch」の発音に関する記事などを予定しています。
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Rの発音方法の図解説明とできない時の対処法
ドイツ語の発音と言えば、真っ先に思い浮かぶのが「うがいをしているかのような独特なR」の音じゃないでしょうか。
ただRが単語のつづりに入っていても、必ずあの「うがいR」を使うわけではありません。
Rの後ろが母音ではないなら[ア]と発音するのが一般的です。つまり、単語末のRや子音の前のRは日本語の[ア]のような発音になります。
そう常に頑張らなくてもいいです・・・。ドイツ語のRは慣れないとかなり異質ですからね。
んで、実際の標準ドイツ語のRですが、これは舌の奥の部分を口蓋垂(aka.ノドチンコ)に近づけつつブルブル震わせて、発音の際に口から抜けていく息を軽く邪魔してやることで発音できる音です。

標準ドイツ語/r/を発音する瞬間の断面図
詳しい練習方法などはこの記事の中にありますので、ちゃんと発音したい人は是非下のボタンからご覧ください。
いやヤカマしーわ!って人は巻き舌のRを使っとけばOKです。頑張って伝わらない不完全なドイツ語のRより、日本人でも発音しやすい巻き舌Rを使った方がコミュニケーションという観点からみるとよっぽど効率的です。
イタリア、スペイン、ロシアなどから来ている人やこれらの国にルーツを持つ人はほぼネイティブレベルのドイツ語を喋っていても、巻き舌Rを使っていたりするので、臆することはありません!
言語なんて結局伝わってなんぼですからね。
ドイツ語のRをより深く知りたい!って人や、なんか人によって若干違くね?って気づいちゃった耳の肥えた変態さんは是非こちらの記事もご覧ください。
そう、標準ドイツ語のRは、実は3種類あるんです・・・。
おそらく一番難易度が高いのは「ふるえ音のR」です。イメージとしては、ヤクザや江戸っ子さん、引いてはイタリア人御用達の巻き舌のRを舌先でやるのではなく、舌の一番奥の方でやる感じです。
舌の奥の部分、ノドチンコ辺りに当てながらブルブル震わせることできますか・・・?このRは言語学を勉強しているネイティブの学生でも綺麗に発音できる人は少ないですからね。もし、日本人でできたら正直気持ち悪いッス。引きます。こっちの体がブルっちまいます。
私のようなシャバ僧は「接近音/摩擦音のR」が丁度いいです。
ウムラウトの発音方法
ドイツ語のRに次いで「???」となることが多いのがウムラウトの発音ではないでしょうか?
äとかüとかöとかっていう記号自体が、イカついタトゥーをした兄ちゃんの如く近寄りがたい雰囲気がありますが、むずいのはöだけです。しかも難しいといっても、ほんのちょっとです。
äは、ほぼ日本語の「エ」で、üは日本語の拗音に使われる小さい「ュ」の部分をイメージすると発音しやすいです。
öの発音は、oの口の形をしながら「エ」をいうって感じなんですが、ここでもう一つ大事なのは、舌の形です。
öを発音しているとき、舌はすぼめた形になり、かつ舌のの両端が上の奥歯にグッと押し付けられた状態になります。
細かい練習法などはこの記事をご覧になってください!
chの2種類の発音方法
英語とは異なり、「ク」のようには読みません。
chの発音には2種類あります:
Ich-Laut (ich音 [ç] )
i, e, ä, ü, öのような前舌母音の後ろにあるchは、ハ行の「ひ」のように読みます(厳密には「ひ」から母音を引いた音)。ドイツ語の「ich (私)」のchで使われる音なので、Ich-Laut (Ich音)と呼ばれています。

Ich音の調音部位
Ach-Laut (ach音 [x])
u, o, aのような後舌母音の後ろにあるchは、音が作り出される位置的には「が」に近い音として読まれます。ただこの音は日本語にはない音なので以下の音声データで実際の音を確認ください。こちらはドイツ語の「ach (あぁ)」のchで使われる音なので、Ach-Laut (Ach音)と呼ばれています。

Ach音の調音部位